1日1つの「日本的!」な楽しみ


by michiru-hibi1007

鷽替えの神事                 庚辰の日・旧暦12月22日

c0205840_936444.jpg

菅原道真公は、誕生日が6月25日。
大宰府への左遷の命令が下されたのが1月25日。
そして、この世を去ったのは2月25日。
...と、どうも25日に縁がある方だったようで、道真公を天神さんとして祭る神社(天満宮とか天神社と呼ばれるところ)の縁日は、そんなこんなで毎月25日とされています。

その1年の最初の日・1月25日は「初天神」と呼ばれ、多くの天神社ではこの日「鷽替えの神事」というものが執り行われますが、このとき授与される「木鷽」の姿カタチが見目愛くるしい。数ある縁起物の中でも、洗練度高くデザインされたもののひとつと思います。

写真のものは、上野の五條天神の「木鷽」ですが、「鷽替えの神事」と「木鷽」の大元のルーツは、もちろん道真公の墓所に立てられた本家本元・九州大宰府天満宮にあります。

その大宰府天満宮の鷽替えは、今にも伝わり、神事は他を先駆けて1月7日の酉の刻・19時ごろからスタート。注連縄で囲った斎場に集まった人々は、太鼓の音に合わせて「替えましょう 替えましょう」と言い合いながら、自分の木鷽を見知らぬどなたかへ、そして、それがまた見知らぬ方へ...「木鷽」は、互いにどんどん取り替えられてゆきます。ころあいを見て、神職の方がストップをかける。
そのとき、神職さんの合言葉裏に書いてある「木鷽」持っている人が「純金鷽」の幸運を与えられるのだそうです。
参拝者参加型が面白く、さらに、一年間についた嘘を清算し、天神さまの「誠心」に変えていただき、幸運までもいただく...と、さすが道真公、懐の大きなご利益です。

やがて、それぞれの天神社がこれ模し、少しずつ形を変えて全国へ広がっていきました。
東京都内のでこの神事が行われるのは、先の五条天神、亀戸天神、湯島天神など。
特に、亀戸天神は由緒が古く、「木鷽」に添付の資料によれば、文政3年(1820年)からだそうですから、もう東京地方でも、200年近く木鷽はわれわれの嘘をマコトに変え続けているのですね。

だだし、現在の東京の鷽替えの神事は、三天神とも、昨年お世話になった「木鷽」を神社に納め、新しい「木鷽」を授与されるという、もっとずっとシンプルなものになりました。

さて、五条天神の「木鷽」さんです。

授与は、初天神とその前日の24日。その日に、これら木鷽は神前にならべられて、お祓いを受け。授与を待つひとびとは、境内から遠めにそれを眺めて待ち遠しくすごします。お祓い後はひとつひとつ袋につめられ、三方に載せられ、しずしずと運ばれてくる。
そうして、参詣者は、やっと袋に入れられた中から好きなひとつを選び、頭に金紙のあるのに当たれば特に吉兆なのだそう。「金鷽」も健在です。

写真は、銀の頭...ではあるけれど、これも、宮司さんの自らの手による一刀彫でコツコツと作られるもので、そもそも授与される数がかなり少ない。
お祓いも1日数回に分けて少しずつ...といった感じで、入手もやや困難な感じですから、いただけただけでご利益おおいにあり...な感じです。
家におこしいただいた「木鷽」さんは、神棚や床の間、無ければ南向きの棚に祀ります。

しかし、この「木鷽」の木彫り。
神職による一刀彫という基準は守りつつも、よく知られているものだけでもその意匠はそれぞれに工夫を凝らされてユニークです。ついつい、いろいろな「木鷽」さんののお姿も拝んでみたい。と、ささやかですが野望が芽生え...。
もう、罰当たりなのか、信心深いのか...。
「木鷽」さんたら、そのルックスのよさが、魔性の魅力ともなる縁起物でもあります。

ともかく、今年1年どうぞよろしくお願いしますね。木鷽どの。
by michiru-hibi1007 | 2011-01-25 09:36 | 小さなカミサマ・縁起物