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1日1つの「日本的!」な楽しみ


by michiru-hibi1007

葛湯                  丁未 (ひのとひつじ)の日・旧暦1月19日

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冬の寒さをのりきる三大食材といったら、「生姜」、「酒粕」、「葛」。

特に「葛湯」は、幼い頃に風邪をひくと、ふうふういって食べさせてもらった記憶のある食べ物。その心地よい思い出とともに、よりいっそうカラダを温める効果があるような気がします。
「葛」は、料理にトロミを加える食材として食事を整える際にも大活躍、そして葛湯のように、そのままお湯に溶かして食すのも可能と使用バリエーションが非常に豊富。
しかも扱いが簡単です。
そういえば、「生姜」も「酒粕」もそんな風で、寒さ対策の三大食材は、その効果の大きさを考えれば、なんと素晴らしい食べ物でしょう。

さて、一応「葛湯」の作り方を。
(1)小なべに砂糖を入れぬるま湯で溶かし、砂糖湯を作る。
(2)(1)に葛粉を入れて固まらないようにかき混ぜる。火にかける前に溶かすのがポイントです。
(3)小なべをトロ火にかけてゆっくりゆっくりかき回しながら温めます。
(4)白く濁った液体が、やがて透明になり、とろみが付いたらできあがり。
この、とろみがあるために葛湯は冷めにくく、体も温まって消化にも良いのです。
葛「湯」といっても液体状のものを飲むのではなくて、とろとろしたところをスプーンですくって食べるものなのでちょっと満足感もあります。おなかを壊した日の食事代わりにも、風邪のひきはじめかなと思ったら、ここに生姜汁を入れて食べるのもお薦めです。
葛湯は、それだけでも味わい深いものですが、いろいろなものを混ぜてバリエーションを楽しむことも可能。抹茶とか柑橘類の絞り汁なんかも結構いけます。

写真は、静岡県掛川市の老舗「桂花園」の葛湯「丁葛」。質の良い「葛」を採るには、良い水と厳しい寒さが条件とされ、奈良県の吉野葛などは最高級品として有名ですが、静岡県の掛川もその条件をクリアした吉野に並ぶ葛の名産地なのだそうです。
その葛の名産地で名物とうたわれる桂花園の「丁葛」は、その美味しさの本物ぶりもさることながら、トッピングされたもののバリエーションぶりが面白い。

写真中央の白い包みは、明治時代から作りつづけているという葛粉に甘味だけのシンプルな「くずゆ」。赤は、晒し餡いりの「葛汁粉」、グリーンは、掛川茶の産地ならではの抹茶いりで「くず茶」「しょうが葛湯」はやや辛めの生姜の風味が効いていてより温まりそうな味。
いただいたパンフレットには、ほかにも、ゆず、ココア、ウコン、高麗人参、冬虫夏草、アロエ、すっぽん...とならび、最後に「純金」。
だんだん只者の葛湯ではなくなってゆく感じが興味深く、伝統を守るためにこそ時代に合わせて冒険をする...老舗らしさが漂う葛湯のバリエーションです。

見た目のほうもまけておらずで、白い紙製の小袋に葛粉を入れて白い紐で縛ったカタチがなんともおつで。よくよく見れば、「くずゆ」には葛の葉と花「葛汁粉」は小豆の葉と鞘「くず茶」にはお茶の木、「しょうが湯」には生姜の絵がさりげなく描かれ、ずいぶん凝ったパッケージデザイン。
中をあけても包みはたやすく捨てられない美しさです。
袋の中身を暖かい器にあけて、熱湯を注ぐだけで葛湯が出来てしまう簡単さもいい感じです。

これは、銀座三越の地下二階に各地の名産品が並ぶ小さなコーナーがあって、そこで偶然見つけたもの。百貨店もこんな風に日本のよきものを淡々と伝える場所であるのなら、それはとても良いことではないかと。子どもの頃は熱狂的に好きな場所だった百貨店のよさをふと再び思い起こしたような気もします。

おかげさまで、冬のおやつがまたひとつ。
by michiru-hibi1007 | 2011-02-21 16:20 | 食べること