1日1つの「日本的!」な楽しみ


by michiru-hibi1007

白木蓮咲く                  戊辰(つちのえたつ)の日・旧暦2月10日 

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1週間ほどまえは、まだつぼみの中にそっと春の卵を温めている...といった佇まいだった街路樹の白木蓮。
今日、通りかかったら、春の卵から白い鳥が孵ったように、白木蓮の花がぽつぽつと咲き始めました。
花は、このまま上向きにやはり内側に何かを包んで守るようなカタチで咲いてゆきます。

よく似ているので、咲き始めはよく「辛夷」と間違いますが、折に触れ観察していればそのかすかな違いに気づきます。辛夷の花の咲き始めは、花の下に黄緑のマフラーを巻いているように小さな葉っぱが必ず付いていますのでそこで見分けます。咲き始めの時期も同じ頃だし、白い清楚な花というところも似ているけれど、白木蓮の花が最後まで上向きの半開状態のように咲くのに対し、辛夷は、くっきりとパッと花開き、そうなるとずいぶん印象が変わって見分けが付くようになるはずです。
さらに、毎春ごとに見つめていれば、白木蓮のほうが花びらの幅が広いとか厚みもあるとか、少しずつ特徴がわかってきてそれも楽しい。

そういえば、白木蓮は、高い木々の枝先で上を向いて咲くので、花を真正面から見たことがないかもしれません。
しかし、斜め下から観察すれば、花びらの片側のみ一様に膨らんでいるのに気が付いたりもします。膨らんでいるのは太陽の陽があたる南側だそうで、だから、花咲はその反対側北を指すのだといいます。
まだ白いつぼみのほうが多いけれど、それだって、確かになんとなく片方に沿っていて、それがほぼ同じ方角を向いていますね。

花先は、北、ふくらみは南で、ふふーん、ほんとにそうなっています。
白木蓮は羅針盤のような花でもあるのです。

さて、これから、花の時期が終わり、葉が生い茂る頃になってもこの樹は面白い。
葉の間をそっと除くと、もう早々に実がなっています。それが、大粒のとうもろこしのような形状で、花の清楚さとはずいぶんとイメージが違い、そのまま育って、ややグロテスクに膨らんだ頃に、鞘から赤い実が飛び出します。

そうそう、実がなれば、辛夷と白木蓮の違いは一目瞭然となります。
辛夷はその名の由来となった、ごつごつと瘤の塊のような実をつけて、しかも枝からぶら下がるようになる。白木蓮の実は、相変わらず天を向いてたっていますので、ここまでくれば、誰にでも違いがはっきりとして、そして、ずっと見ていたせいなのか、白木蓮とも辛夷とも少し仲良くなった気がしてきます。

桜の開花は、今年はちょっと遅いようですが、この街路樹の白木蓮はいつも律儀に3月中旬ごろには花を咲かせます。そうして、白木蓮の街路樹が真っ白になったら、そろそろ、植物園へ辛夷の花を観察へ。

その姉妹のように似たふたつの花のささやかな違いを楽しむのも、春の習慣になりました。
by michiru-hibi1007 | 2011-03-14 22:56 | 植物のこと