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1日1つの「日本的!」な楽しみ


by michiru-hibi1007

涅槃絵のやしょうま餅         己巳(つちのとみ)の日・旧暦2月11日

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さて、東京地方の涅槃会の日にも少しだけ触れた「涅槃会」由来の供物のお話。
東京地方では、涅槃図を飾り涅槃会を行うのみの寺社の仏教行事が中心。他の地方のように「釈迦の鼻糞」と呼ばれるあられ餅や「やしょうま」と呼ばれる餅などの供物授与がある民間信仰的な色彩は薄い感じでした。
せめて、それらの供物が、細々とでも売られていないものかしら?と、東京に出店する都道府県のアンテナショップなどを探してみましたが、はかばかしい結果は得られません。

しかし、インターネットを検索すれば、百花繚乱。
特に、信州地方で涅槃会に供える「やしょうま餅」は、ずいぶんいろんな種類のものが紹介されていて、そのバリエーションも面白く、通信販売のサイトまでありました。うーん、ならば、涅槃会のあたりだけアンテナショップであつかえばいいのにと思いますが、探し足りなかったのでしょうか?

当地では、お釈迦様の命日が近づく2月上旬から、旧暦の涅槃、3月中旬ぐらいまで、和菓子屋やスーパーの店頭にも「やしょうま餅」が登場。
さらに家庭で手作りしている方も大勢いらっしゃるようです。

手作りの供物!
ついつい、この言葉に琴線がひっかかってしまった...といういきさつで、不恰好ですが自作した「やしょうま餅」が写真のものです。
インターネットには、レシピも様々に載せられていて、何箇所か訪ねて一般的な作り方を割り出しました。米粉をこねるとき、手にべたべた付くので、手水代わりにお酒を手元に置いておくのが案外ポイントかもしれません。

■材料は、米の粉・砂糖(粉の分量の5%ぐらい)・塩(粉の分量の1%) 熱湯 目分量
すり胡麻、青海苔各適量
■作り方
1.大き目のボールに、米の粉、砂糖、塩をいれ箸などで混ぜる。
2.熱湯を少しずつ様子を見ながら入れて、箸などで混ぜる。
3.全体がボロボロになったところで、手でよくこねる。耳たぶぐらいの硬さになるまでが目安。
4.3.の生地を小さくちぎって蒸し器で蒸す。蒸し布を敷いて、15分~20分ぐらい。
5.蒸しあがったら、蒸し布のまま取り出し、冷水をはったのボールにさっと浸し冷やす。
すぐに水から上げ水気を取る。
6.5.の生地を数個ずつまとめて、平らなとこで捏ねる。この時点で、青海苔、すり胡麻を練りこむ。
手に付くので、手水代わりの日本酒少々を傍に置いて。
7.平らな場所で、太巻きぐらいの直径&長さの筒状に伸ばし、切った面が山形になるようにカタチを崩す。
8.やわらかいうちに、木綿糸などで切る。
                
初心者手作りバージョンはただの棒状になってしまいましたが、本当の、やしょうま餅は、切った面を山型にするのが正しいカタチ。
「やしょうま」の由来は、餅のカタチが「痩せたうま」の背中の凹凸のようだからで、つまり「やせた馬」→「やせうま」→「やしょうま」ということなのです。
ああ、また、こんなところで駄洒落を発見。
日本人は、とかくこうゆう言葉遊びが好きなようです。

ところで、東京でも目黒不動の近くにある安養院という寺院で、涅槃会にやしょうま餅を振舞っているということをずいぶんたってから教えてもらいました。
そこの「やしょうま」は、白いままのもの、黒ごまの黒、青海苔の緑の三色あるそうです。
ネットで見つけた信州バージョンは、餅を切ると金太郎飴のように花や野菜、果物とか動物、果てはアニメキャラクターが出てくるものまで千差万別。ともかく華やかな模様が出てくるように何色にも色分けした餅を練り合わせたものが多く、それもそれで可愛いのですが、今回は、東京バージョン安養院のやしょうまにちなんで作ってみました。
といっても、それは、実際に供物を受けた方からの聞き伝えですので、勝手なイメージ、しかも三アイテム合体にて恐縮です。
来年はぜひ、目黒の涅槃会へおじゃまして、本物を見せていただきたいと思います。

やしょうま餅は、出来立てはやわらかいのですが、しばらくすると固くなり、そうしたら焼いて醤油をつけても美味なはず。
...と食べることばかりを考えていましたが、これって、お釈迦様へのお供えでした。

餅を作ったはいいけど、我が家は仏壇も床の間もなく、お釈迦様の供物はいったいどこにお供えしましょう。
とりあえず、神さまと同じ南向きの高いところにお供えすれば、お釈迦様にも気づいていただけるでしょうか。

お釈迦様。
不恰好なやしょうま餅で恐縮ですが、またささやかな普通の日々が戻ってきますよう。
逝ってしまったひとびとが、安らかでありますよう。
by michiru-hibi1007 | 2011-03-15 23:06 | 和菓子歳時記