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1日1つの「日本的!」な楽しみ


by michiru-hibi1007

花会式                  己丑(つちのとうし)の日・旧暦3月2日

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梅、椿、牡丹、桃、桜、山吹、藤、菊、ゆり、杜若
今の時期、奈良の薬師如来さんは、和紙で造った美しい花々で取り囲まれ、よりいっそう幸せそうに微笑んでいるそうです。
奈良に春を告げる薬師寺の「花会式」。
数年前に、東京博物館にいらして大人気だった日光・月光菩薩は、この薬師如来さんの脇侍で、そのあまりにも美しくありがたい姿お会いしてからこっち、三尊揃って花々に囲まれるお姿を見にうかがってみたい憧れの奈良の行事です。しかし、3月30日から始まった法要の日々も明日は「鬼追式」で飾る結願の日、ぼやぼやしているうちに最終日です。
ああ、また今年もうかがえなかった...と、思い立ったのは、折り紙やら、切り紙やらで花造り。
...写真のような次第です。

薬師寺の「花会式」は、奈良の古寺各所で早春に行われる「修二会(しゅにえ)」のひとつ。
東大寺のお水取りと同じく、国家の繁栄や五穀豊穣などを祈るための行事で、七日七夜、十人の練行衆と呼ばれる僧侶たちが1日6度の法要を不眠不休で執り行います。
そして結願の日には、三尊がいらっしゃる金堂の前に突如5匹の鬼が現れてたいそうな暴れっぷりを披露。それを、薬師如来からチカラを与えられた毘沙門天が鎮めるという物語が展開するそうです。これは、節分の日に全国津々浦々で行われる節分会に因んだ行事で、「花会式」のフィナーレ。春を迎える行事には鬼に託して邪気を祓うという考え方が、こんなところにもありました。

さて、この行事ですが、奈良時代から途切れることなく続いてきましたが、花々を飾るようになったのは平安時代から。1107(嘉承2)年、堀河天皇は、病に倒れた皇后の病気平癒を薬師如来に祈願します。するとほどなく病気が回復。その返礼にと、皇后は女官に命じて10種類の造花を作らせて、薬師如来さまの御前に供えられ、それが毎年の習慣となったのだそうです。
これが、現在に至る華やかな法要の始まりといわれ、薬師寺の修二会が「花会式」と呼ばれるようになったものそれ以降のこと。
薬師三尊像の周囲を彩る「お花飾り」は、昔ながらの方法を守り、化学薬品などは一切使わず、薬草などで染めた和紙を一つ一つを手作りで丁寧に作られたもの。それらの造花は、本物の木の枝に取り付けられたり、わらの束に刺されたりして飾り付けられ、薬師三尊をより一掃美しく彩ります。

それにあやかる気分で、奈良から遠く離れた東の国にて、せっせと折り紙やら切り紙やら。同じく10種類の花を作ってみました。
もちろん、「花会式」に飾る正式なものとは程遠く、それでも気はココロです。
梅、椿、牡丹、桃、桜、山吹、藤、菊、ゆり、杜若...雅な平安時代の主だった花。それを無心に造ります。
一枚一枚と出来上がってゆけば、ココロの中にも、やっとほんとの春が来たような気がします。

ところで、薬師寺の三尊目当てに旅した友人の話。
「薬師如来はお医者さんで、日光・月光菩薩は、看護師さんです。日光さんが日勤、月光さんが夜勤の看護師さんですね」と、真面目な顔して薬師寺のお坊さんがお話されるんだとか。
なんだか、更なる興味と親近感の沸くお話です。
by michiru-hibi1007 | 2011-04-04 21:18 | 年中行事・祭・縁日